基本方針

VUCAの時代であるといわれて久しく、また約3 年に及ぶコロナ禍の影響を受けて、われわれを取り巻くビジネス環境はこの数年で劇的な変化を遂げた。 法改正や消費者の行動変容、物価高や持続的賃上げの潮流に対応するため企業自身のイノベーションなしには生き残れない社会になった。 中小・小規模事業者であっても甚大な自然災害リスクへの備えや物価高への対応、人手不足解消への対応、後継者問題への対応、社会的責任としてSDGs 達成のためのGX 促進は、今後の事業継続に必要不可欠な課題である。 反面、柔軟かつ適正な対応策を講じることができれば、企業価値を大きく向上させ持続的成長を見込める転換点となる可能性がある課題でもある。 商工会議所が支援する中小・小規模事業者の状況は、業種や事業規模、取引関係、経営資源の多寡、成長ステージにより、取り組むべき経営課題の優先順位はそれぞれ異なり、商工会議所としてその1社1社の課題の本質を見極め、適切に支援・対応していく力が求められている。

今年度の所沢商工会議所は、支援力とネットワーク力を生かし、中小・小規模事業者と支援機関や協力団体を巻き込み、チームとして質の高い支援を実施していく。質の高い支援を通じて、商工会議所自身の信頼性を高めていく。併せてその支援を支える内部の基盤強化を図り、よりよい支援を展開できる環境を整備する。

Ⅰ.物価高、人手不足等への対応、Ⅱ.事業承継、再編等を通じた変革の推進、Ⅲ.成長、「稼ぐ力」の強化推進、Ⅳ.まちの賑わい創出、Ⅴ.所沢商工会議所の財政基盤・収益力の強化、Ⅵ.所沢商工会議所の組織体制・信頼性の強化、以上6項目を重点項目と位置付け事業を推進していく。

Ⅰ.物価高、人手不足等への対応では、適切な価格交渉による価格転嫁、取引の適正化を推進し、継続的な賃上げ実現を目指す。また、生産性の向上に資するオペレーションの変革や設備投資による人材の確保を目指す。 Ⅱ.事業承継、再編等を通じた変革の推進では、関係機関と連携した事業承継計画策定支援やM&Aの推進を図る。 Ⅲ.成長、「稼ぐ力」の強化推進では、商談会・展示会出展による販路開拓支援、経営革新計画策定及び実行支援を行い、既存事業の魅力の再発見・再構築と事業者の稼ぐ力の獲得、成長を目指す。 Ⅳ.まちの賑わい創出では、所沢商工会議所創立75 周年記念「ところざわまつり」の実施を契機として、まちの魅力を発信していく。 Ⅴ.所沢商工会議所の財政基盤・収益力の強化においては、専任の職員を配し、待ちの姿勢から脱却を図り新規会員獲得、貸会議室の利用率の向上を目指す。また、建物や設備が老朽化による修繕費・更新費用の積立と適性支出により商工会議所機能の維持を図る。 Ⅵ.所沢商工会議所の組織体制・信頼性の強化については、職員の能力開発の研修の実施により支援の質の向上を、コンプライアンス研修の実施、制度の整備により商工会議所の信頼性を、職員の適正人事及び議員・役員改選により組織体制の強化向上を図る。

以上の基本方針に従い、重点施策を絞り事業を展開していく。